弁護士の基本的な業務の一つとして、法律相談があります。
法律問題は多種多様であり、顕在化しているものもあれば、潜在しているに過ぎないもの等様々なものがあります。
私も日々多くの様々なご相談に対応していますが、もっと早くに相談していただいていれば「より良い解決方法の提案ができたのに」、「もっと容易に解決することができたのに」と思うことが多々あります。
とはいえ、法律相談に慣れているという方も少ないかと思います。
そこで本稿では、法律相談をする際のコツを4つ、お話したいと思います。
1 早め早めが鉄則です。
弁護士に相談するような問題なのかどうか悩んで相談を躊躇うという方もいらっしゃるかと思います。
しかし、上記のように、もっと早くに相談に来ていただければより良い解決ができたというケースは大変よくあります。
弁護士に相談するべき問題なのかどうかは、結局、弁護士に相談してみるほかありません。
悩む前に、お早めに、お気軽にご相談していただければと思います。
2 事前の準備
弊所では、相談の時間については、1時間を一つの単位としています。
この1時間という時間は、具体的にご相談の内容をお聞きして、法的な見解を述べるとなると余裕のある時間とは言えません。
法律相談は、相談者の方から20分ほどで事情を伺い、伺った事情に補足するために10分ほどで弁護士からの質問をさせていただき、15分ほどで法的なアドバイスを行い、最後にまとめ的に簡単に質問を受けてそれに回答するという流れを辿るのが理想的です。
しかし、法的なお悩みに至るまでの過程には多くの事情があり、法律相談に必要な事情を正確かつ簡潔に説明することは難しいことが通常です。
そうすると、相談者の方から事情を伺うだけでほとんどの時間を費やしてしまい時間切れとなってしまうという結果になりがちです。
そのため、ご相談の前に
①簡単な事情、経緯を1枚のメモにしてご持参いただくこと
は、実のある相談を行うために有益であると考えます。
文章でまとまっていることで、弁護士にとってもポイントの把握が容易になりますので、非常に相談がスムーズになります。
また、
②相談の内容に関する資料等を持参していただくこと
は非常に大切です。
例えば、契約書をめぐるトラブルであれば「契約書」、訴えられたというような場合には「訴状」などは必ずご持参ください。
3 不利なこともお話しいただく
私も、例外ではありませんが自分に不利なことなどは極力人に話したくないものです。
しかし、法律相談の中では、③自身にとって不利だと思うことも話していただければと思います。
これは、相手方の反論を予測することにもつながりますし、何より正確な見通しをご説明する上で非常に大切なことになります。
まれに、弁護士に話すことでどこかに漏れたり、誰かに話されたりしないだろうかと心配に思われる方もいらっしゃいますが、弁護士は職務上、厳格な守秘義務を負っており、これに違反すると重大な処分を科されることになりますので、安心して話していただければと思います。
4 望む結果を明確に弁護士に伝える
弁護士は、ご相談者(ご依頼者)の利益を最大限実現するためにはどのような手続きや主張をしていけばいいのかを考えます。
つまり、④明確にご希望をお伝えいただくことでゴールが定まり、どのようなボールを投げればゴールに到達できるのか、はたまた到達できないのかの見通しを説明しやすくなりますので、望む結果がご相談時に既に固まっているのであれば、遠慮なく率直にお伝えいただければと思います。
とはいえ、明確な希望をイメージすることが難しく、「どうすれば良いか」「何ができるか…」と悩まれる場合もおありでしょうから、そのような場合は率直にそのことをお話しいただければ、一定の提案を弁護士からも致しますので、一緒に考えて行きましょう。
まとめ
弊所では、皆様にとって身近な法律事務所でありたいと考え、日ごろからそのような事務所にするためにはどうするべきかを考えております。
また、せっかくご相談いただく以上は、少しでもご相談前よりもご相談者の方が前に進めるような法律相談になるように日々勉強をしています。
法律相談をするべきかということも含めて、気軽にご相談いただけるように無料のLINE上での法律相談窓口もございますのでお気軽にご登録していただけると幸いです。
ご相談の際には、上記のポイントもご参考にしていただければと思います。
(最後に…弁護士の中には、法律相談で相談者の方が愚痴を言うことについて、法律相談は愚痴を言う場所ではないと考えている人もいますが、愚痴を言ってすっきりすることも日常生活においては当然ありますから、私は愚痴も含めて言っていただければと考えています。)