【相続①】相続人の調査・確定について

皆さんこんにちは。弁護士の岩本です。

皆さんは、ご自身が当事者になる法律上の問題についてはどういったものがあるかご存知ですか?

全ての人が、人生で一度は必ず当事者になる代表的なものの一つに相続があります。

相続に関する問題はテレビやその他のメディア等で、取り上げられることも多く、皆さんも何となくイメージしやすいのではないかと思います。

ここで相続の大まかな流れを紹介しておきます。(前提として遺言がない場合を想定しています。)

①相続人の調査・範囲の確認

②相続財産(遺産)の調査

③具体的な遺産分割についての協議

④遺産分割協議に応じた財産の相続

(①と②については実務上、同時進行で行うことが多いです。)

様々なWebページで、③や④について紹介されていますが、①と②については具体的に何をするのかよくわからないと思われる方も多いかもしれません。

そこで、「相続人の調査」及び「相続財産の調査の具体的な内容について、2回の連載で皆様にご紹介します。

 

相続人の調査とは?

 

相続には、事案によってバラつきはあるものの、数多くの人が登場することになります。

誰が相続人となるのかを確定させるために、戸籍謄本等を取得して親族の相関関係を洗い出すことが、相続人調査の主な作業です。

では、具体的にはどのような書類を取得していくことになるのでしょうか?

 

①被相続人(=お亡くなりになった方)の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本

 

まずは、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本を取得することから相続人の調査は始まります。

通常であれば、出生の際親御さんの戸籍に記載され、婚姻や養子縁組によって除籍されるまでは親御さんの戸籍にいることになるので、お亡くなりになったときの戸籍から、出生が確認できる被相続人の親御さんの代の戸籍謄本が不足なく揃えば、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍が追えたことになります。

被相続人の戸籍謄本は、被相続人の本籍地がある市区町村の役所にて取得できるので、請求に必要な書類を揃えて窓口で請求します。

多くの自治体は、郵便での請求も受け付けているので、窓口へ行くことが困難な場合は郵便での請求を活用しましょう。

 

出生から死亡に至るまでの戸籍が一つの自治体で完結している場合、窓口で出生から死亡時までの戸籍謄本を請求すれば被相続人の全ての戸籍謄本が揃います。

ですが、死亡までの間に本籍地の市区町村が1度でも変わっていた場合は、その自治体地に対しても戸籍謄本の交付請求を行い、戸籍を追う必要があります。

その際、戸籍謄本に記載のある情報だけでは戸籍が追えなくなることがあるので、改製原戸籍謄本を取得することになります。

改製原戸籍とは、簡単に言うと、現在の戸籍の大元となっているものです。

戸籍に関する法律は何度か改正され、戸籍の様式も何度か変更がなされています。

改製原戸籍は、その法改正によって変更される前の戸籍のことであり、いうなれば旧バージョンの戸籍のことです。

改製原戸籍謄本には、出生、従前の本籍地や除籍後の本籍地等が記載されており、その情報をたどっていくことになります。

 

②相続人の戸籍謄本

 

被相続人の出生から死亡までの戸籍が揃った後は、誰が相続人になるのかを決めていくことになります。

相続人の範囲は法律で定められており、配偶者は常に相続人になります民法890条)。

(配偶者の相続権)
第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。

 

配偶者以外の相続人については以下のようになります。(民法887条、民法889条)

相続順位 血族の種類 代襲(相続人→相続人の子) 再代襲(相続人の子→相続人の子の子)
第1順位
第2順位
第3順位 兄弟姉妹 ×

 

(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
 
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹
2 第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。
 
上記にあてはめながら、相続人の戸籍謄本を取得していくことになります。
 
大体お察し頂けるかもしれませんが、相続人が養子縁組や離婚などをしていた場合、その分確認する戸籍も多くなり、時間がかかるので注意が必要です。
 
被相続人と相続人の相関関係が不足なく示せることができたら、相関関係を示すという意味での相続人調査はここで終了になります。
 
 

③相続人の戸籍の附票

 
 
戸籍を追った結果、相続人がご存命なことは判明したものの、所在が分からないという場合は、戸籍の附票を相続人の本籍地の役所へ請求すると、相続人の住民票上の住所が判明します。
 
疎遠な親族の方が相続人となった場合、戸籍の附票を取得して住所を確認しコンタクトを取るのがいいかもしれません。
 
 
 

相続人の調査を弁護士に依頼するメリット

 

前述の通り、事案によっては相続人の調査は様々な書類を様々な自治体へ請求することが多くなり、とても煩雑になることは珍しくありません。

そもそも、他人の戸籍謄本を取得することは決して簡単ではなく、委任状や請求するにあたって正当な理由があることを証する資料を求められることが通常で、請求するための書類を取りそろえるのにも一苦労です。

ですが、弁護士であれば委任状や疎明資料を要さずとも戸籍謄本等を請求することができますので、相続人についてわからないことがあればお近くの弁護士事務所へ相談に行かれること強くお勧めします。

 

まとめ

 

上記をまとめると以下の通りです。

・被相続人の戸籍を、現在の戸籍から出生に至るまで順次追い、戸籍謄本を揃える

・追っていく中で相続人を確定し、相続人となった人の戸籍謄本を取得していく

・所在が分からない場合は戸籍の附票を取得する

 

戸籍謄本の請求は、それ自体は単純な作業ですが、必要な書類も多くたどり着くまでには煩雑な手続きがいくつもあります。

相続人の確定においてお困りごとがあれば、ぜひお近くの弁護士事務所へ相談に伺ってみてください。

 

きびのくに法律事務所

 

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