こんにちは。弁護士の岩本です。
以前より、弊所にお電話をしてくださる方から、「電話相談をしていないのか」という質問を頂きます。
相談者様のニーズに応えるという意味で、電話相談の導入を何度も事務所内で検討したことはあるのですが、現状、弊所では電話での法律相談は受け付けておりません。
これにはいくつかの理由があるのですが、大きな理由としては、電話相談の場合、的確な事実関係の把握が難しく的確な助言、アドバイスを行うことが難しいということが挙げられます。。
法律相談においてもっとも重要なものの一つとして、ご相談者様の抱えるお悩みの背景事情(事実関係)の的確な把握というものがあります。
これを疎かにしてしまうと、不適切なアドバイスを行う事にもなりかねず、却って相談者様に不利益を生じさせてしまう恐れすらあるのです。
私は、実際の法律相談の際には相談者の方の口頭での説明に加え、資料や証拠を拝見し、関係者や時系列などのメモを取りながら事案の把握に努めています。また、相談者の表情なども読み取りながら質問を行い、正確な事実関係を聞き出すということも多々あります。特に初回相談時には、弁護士自身も相談者様のお話を聞くのが初めてですから、より慎重にあらゆる事情を聞く必要があります。
事実関係の把握がある程度終わってからのアドバイスの際には、できる限り難しい言葉は使用せずに説明をするように心がけていますが、伝わり切っていない場合も少なからずあります。そのような時は相談者様の表情等から、「これは伝わってないな?」と感じる(読み取る)ことも多くあり、その時には改めてどこが伝わっていないのかを考えながらアドバイスさせていただいております。
このように、電話のみでの法律相談は事実関係の的確な把握が非常に難しい場合が多く、的確なアドバイスを行うことが困難であるということから、弊所では電話での相談を基本的に受け付けていません。
昨今の社会情勢や電話相談のニーズがあることは重々承知しておりますが、弊所では電話相談によるメリットよりも不利益(が生じる恐れ)の方が大きいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
これまで、「電話相談は受け付けておりません」と回答したことしかなくその理由についてはお伝えもしていなかったので記事にしました。
独り言
この夏、日本弁護士連合会主催で高校生による模擬裁判選手権が行われることになっており、当職が岡山県から参加する学校の支援担当弁護士に就任しています。
その関係で、週に何度か学校にお邪魔し準備をお手伝いさせていただいているのですが、高校生の自由な発想や想像していたより高度な内容の議論に感心させられっぱなしの時間を過ごしています。また、各高校生の学びへの意欲や積極性等にも驚いています。
「今の若いモンは…」という言葉マイナスの趣旨で使われることが多いですが、今の高校生は私の高校生の時よりもよっぽど素晴らしいと思う毎日です。
コロナウイルスの感染拡大のため制限を受けることの多い学生生活において、少しでも良い思い出になってくれることを願うばかりです。
弁護士 岩本 崇央
きびのくに法律事務所
TEL 0866-94-0707