2025/07/08 コラム
初夏に思う事~事務所からのお知らせを添えて~
皆様、ご無沙汰しております。
弁護士の岩本です。
先日、依頼者の方との雑談中、「事務所HPのコラムの更新予定はないのですか?」とボソッと優しくも厳しいご指摘を受けました。
更新しなければなぁ…と思い続けてはおりましたが、忙しさを言い訳にして随分とほったらかしにしておりました。
せっかくの良い機会(?)なので筆を執った次第です。
今年の梅雨は例年よりも雨が少なく、西日本では6月末に梅雨明け宣言が出されました。梅雨明けからというものの、猛暑の日々が続いており、毎日暑い暑いと言いながら生活をしています。
さて、この夏は参議院議員選挙が予定されています。
私がうまれて物心がついて以降、選挙のたびに「投票率の低下」が叫ばれており、現に直近の各選挙においても投票率は低い状況となっているようです。
私自身も、若いときは投票に行ったり行かなかったりでしたから、声高に投票に行きましょうなどという資格はないのですが、今回は「選挙権」というものを少し考えてみたいと思います。
日本における最初の選挙は、明治23年(1890年)に行われた衆議院議員総選挙です(国立国会図書館のHPによると、投票率は93.7%だったようです。)。
しかし、この時選挙権を持っていたのは、満25歳以上の男子で、しかも15円以上の直接国税を納めている者に限られていました。
当時の15円は、現在の価値で数十万円とも言われていますから、一部の富裕層しか「国を選ぶ権利」を持てなかったのです。
その後、納税額の変更を経て納税額の多寡による制限は撤廃されましたが、その時点においても依然として女性には選挙権がありませんでした。女性が投票できるようになったのは、第二次世界大戦後の1945年のことです。
憲法第15条には、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と定められています。
「政治に関心がない」、「だれがなっても一緒」、「自分が投票したところで結論は変わらない」という言葉をよく耳にしますが、我が国の先人たちが戦った結果得た普通選挙権というものは、民主主義の根幹をなす権利というべきもので、極めて大切な憲法上の権利であることは間違いありません。
とは言え選挙権の行使は義務ではなく、権利ですから、投票するもしないも自由という事になっています。
しかし、日本に山積する様々な問題(物価の上昇、税金や社会保険料負担、少子化問題、教育の無償化等)に対して、国家がどのような方向性で対処していくのかは、選挙によって選ばれた政治家の政策によって左右されることは言うまでもありません。
今回の参議院議員選挙は事実上の政権選択選挙と言われていますが、私自身今回の選挙は、普通選挙権を持っているという事は一昔前は普通のことではなかったという事に思いをはせながら、一票を投じたいと思います。
※事務所からのお知らせ
7月22日から25日は弁護士不在となりますので、ご注意ください(事務所自体は空いています。)。
依頼者の方に対してはご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。